介護施設閉鎖もあり得る地方の問題
介護士の仕事は要介護者に対する介助が業務の中心ですが、施設形態だけでなく地域によっても仕事内容に違いがあります。田舎にある介護施設は、地域性に左右されやすい傾向があります。地方は人口が少ない一方で高齢者の割合が高く、居住地も広い範囲に点在しているケースが多数です。そのため、送迎業務に費やす時間が長くなりやすいのが特徴です。また、地方の介護施設は複数の地域にまたがって要介護者を受け入れている所も多く、その分だけ仕事量も増します。病院が少ないのも田舎によく見られる問題なので、介護施設は他の地域にある病院との連携が不可欠です。施設の規模の割に仕事量が多いのが田舎の介護職ならではの問題となっており、この点はUターン転職を検討している場合にも注意したいポイントです。
地方の介護士が多忙になりやすい理由に、人員の補充が難しい点が挙げられます。田舎は生活に必要な施設が少ないので、生活するのに不便です。また、公共の交通機関も十分に整備されていないことから、送迎業務に就かない人でも通勤のために運転免許が必須となります。そのような事情から、地方に定住して介護職に就く人は決して多くありません。介護施設や地域の自治体が居住費や運転免許の取得費用を補助して定住を促すケースもありますが、目立った成果が出ていないのが現状です。地方の人口減少が進んでいるのも問題のひとつであり、地域によっては介護施設が閉鎖した所もあります。人口の偏りや地域の開発の差が地方の介護士の多忙化を招いているため、根本的な解決が困難になっています。